『第一種電気工事士試験 過去問題集』

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター 2024/10/6出題

1.

図のように,巻数 n のコイルに周波数 f の交流電圧 V を加え,電流 I を流す場合に,電流 I に関する説明として,誤っているものは。

イ.巻数 n を増加すると,電流 I は減少する。
ロ.コイルに鉄心を入れると,電流 I は減少する。
ハ.周波数 f を高くすると,電流 I は増加する。
ニ.電圧 V を上げると,電流 I は増加する。

2.

図のような直流回路において,電源から流れる電流は 20 A である。図中の抵抗 R に流れる電流 IR[A]は。

イ.0.8

ロ.1.6

ハ.3.2

ニ.16

3.

図のような正弦波交流電圧がある。波形の周期が 20 ms(周波数 50 Hz)であるとき,角速度 [rad/s]の値は。

イ.50

ロ.100

ハ.314

ニ.628

4.

図のような交流回路の力率[%]は。

イ.50

ロ.60

ハ.70

ニ.80

5.

図のような三相交流回路において,電流 Iの値[A]は。

Screenshot

6.

図は単相 2 線式の配電線路の単線結線図である。電線 1 線当たりの抵抗は,A-B 間で0.1Ω ,B-C 間で0.2Ωである。A 点の線間電圧が 210 V で,B 点,C 点にそれぞれ負荷電流10 A の抵抗負荷があるとき,C 点の線間電圧[V]は。
ただし,線路リアクタンスは無視する。

イ.200

ロ.202

ハ.204

ニ.208

7.

ある変圧器の負荷は,有効電力 90 kW,無効電力120 kvar,力率は60 %(遅れ)である。
いま,ここに有効電力70 kW,力率100 %の負荷を増設した場合,この変圧器にかかる負荷の容量[kV・A]は。

イ.100

ロ.150

ハ.200

ニ.280

8.

定格一次電圧が Vn [V],定格容量が S[V・A],一次側に換算した変圧器の内部インピーダンスがZ[Ω](1 相分)の三相変圧器がある。この変圧器の百分率インピーダンス%Z[%](基準容量S [V・A])を示す式は。
ただし,図は1 相分の等価回路を示す。

Screenshot

9.

図のような電路において,変圧器(6 600 / 210V)の二次側の 1 線が B 種接地工事されている。この B 種接地工事の接地抵抗値が10Ω ,負荷の金属製外箱のD 種接地工事の接地抵抗値が40Ω であった。金属製外箱のA 点で完全
地絡を生じたとき,A 点の対地電圧[V]の値は。
ただし,金属製外箱,配線及び変圧器のインピーダンスは無視する。

イ.32

ロ.168

ハ.210

ニ.420

10.

かご形誘導電動機の Y- 始動法に関する記述として,誤っているものは。

イ.固定子巻線をY 結線にして始動したのち,Δ結線に切り換える方法である。
ロ.始動トルクはΔ結線で全電圧始動した場合と同じである。
ハ.Δ結線で全電圧始動した場合に比べ,始動時の線電流は に低下する。
ニ.始動時には固定子巻線の各相に定格電圧の 倍の電圧が加わる。

11.

トップランナー方式で製造されていない三相誘導電動機について,ファン等の負荷機器はそのままで,電動機のみ同容量のトップランナー方式のものに更新する場合における留意点の記述として,誤っているものは。

イ.更新後は電動機が大きくなる場合がある。
ロ.電動機の回転速度が増すため,負荷機器に与える運転能力への注意を要す
る。
ハ.始動電流が小さくなるため,保護装置である配線用遮断器,電磁開閉器など適正化の検討が必要となる。
ニ.電動機発生トルクが大きくなるおそれがあり,減速機と直結している場合,機械強度の適正化の検討が必要となる。

12.

LED ランプの記述として,誤っているものは。

イ.LED ランプは,発光ダイオードを用いた照明用光源である。
ロ.白色 LED ランプは,一般に青色の LED と黄色の蛍光体による発光である。
ハ.LED ランプの発光効率は,白熱灯の発光効率に比べて高い。
ニ.LED ランプの発光原理は,ホトルミネセンスである。

13.

蓄電池に関する記述として,正しいものは。

イ.鉛蓄電池の電解液は,希硫酸である。
ロ.アルカリ蓄電池の放電の程度を知るためには,電解液の比重を測定する。
ハ.アルカリ蓄電池は,過放電すると充電が不可能になる。
ニ.単一セルの起電力は,鉛蓄電池よりアルカリ蓄電池の方が高い。

14.

写真に示すものの名称は。

イ.金属ダクト
ロ.バスダクト
ハ.トロリーバスダクト
ニ.銅帯

15.

写真の三相誘導電動機の構造において矢印で示す部分の名称は。

イ.固定子巻線
ロ.回転子鉄心
ハ.回転軸
ニ.ブラケット

16.

図は汽力発電所の再熱サイクルを表したものである。図中のⒶ,Ⓑ,Ⓒ,Ⓓの組合せとして,正しいものは。

Screenshot

17.

高圧電力系統に連系する太陽電池発電設備の太陽電池モジュールから電力系統へ至る機器の接続順序として,正しいものは。
ただし,当設備にはマイクロインバータを使用していないものとする。


イ.太陽電池モジュール- パワーコンディショナ- 接続箱- 変圧器- 電力系統
ロ.太陽電池モジュール- 接続箱- パワーコンディショナ- 変圧器- 電力系統
ハ.太陽電池モジュール- パワーコンディショナ- 変圧器- 接続箱- 電力系統
ニ.太陽電池モジュール- 接続箱- 変圧器- パワーコンディショナ- 電力系統

18.
距離送電線路のフェランチ効果とは。

イ.受電端電圧が送電端電圧より高くなる現象。
ロ.受電端電圧が送電端電圧より低くなる現象。
ハ.受電端電圧と送電端電圧が常に等しい現象。
ニ.受電端電圧と送電端電圧が常に不安定な現象。

19.

送電用変圧器の中性点接地方式に関する記述として,誤っているものは。


イ.非接地方式は,中性点を接地しない方式で,異常電圧が発生しやすい。
ロ.直接接地方式は,中性点を導線で接地する方式で,地絡電流が大きい。
ハ.抵抗接地方式は,地絡故障時,通信線に対する電磁誘導障害が直接接地
方式と比較して大きい。

ニ.消弧リアクトル接地方式は,中性点を送電線路の対地静電容量と並列共振
するようなリアクトルで接地する方式である。

20.

次の機器のうち,高頻度開閉を目的に使用されるものは。


イ.高圧断路器
ロ.高圧交流負荷開閉器
ハ.高圧交流真空電磁接触器
ニ.高圧交流遮断器

21.

高調波の発生源とならない機器は。

イ.交流アーク炉
ロ.半波整流器
ハ.進相コンデンサ
ニ.動力制御用インバータ

22.

写真に示す機器の用途は。

イ.高電圧を低電圧に変成する。
ロ.大電流を小電流に変成する。
ハ.零相電圧を検出する。
ニ.コンデンサ回路投入時の突入電流を抑制する。

23.

写真に示す過電流蓄勢トリップ付地絡トリップ形(SOG)の地絡継電装置付高圧交流負荷開閉器(GR 付 PAS )を設置する場合の記述として,誤っているものは。

イ.一般送配電事業者の配電線への波及事故の防止に効果がある。
ロ.自家用側の高圧電路に地絡事故が発生したとき,一般送配電事業者の配電
線を停止させることなく,自動遮断する。
ハ. 自家用側の高圧電路に短絡事故が発生したとき,PAS を一旦ロックし,一般送配電事業者の配電線が一時停止した後,自動的に PAS を開放する。
ニ.自家用側の高圧電路に短絡事故が発生したとき,一般送配電事業者の配電線を停止させることなく,自動遮断する。

24.

600 V 以下で使用される電線又はケーブルの記号に関する記述として,誤っているものは。

イ.IV とは,主に屋内配線に使用する塩化ビニル樹脂を主体としたコンパウ
ンドで絶縁された単心(単線,より線)の絶縁電線である。
ロ.DV とは,主に架空引込線に使用する塩化ビニル樹脂を主体としたコンパウンドで絶縁された多心の絶縁電線である。
ハ.VVF とは,移動用電気機器の電源回路などに使用する塩化ビニル樹脂を
主体としたコンパウンドを絶縁体およびシースとするビニル絶縁ビニル
キャブタイヤケーブルである。

ニ.CV とは,架橋ポリエチレンで絶縁し,塩化ビニル樹脂を主体としたコン
パウンドでシースを施した架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブルである。

25.

爆燃性粉じんのある危険場所での金属管工事において,施工する場合に使用できない材料は。

Screenshot

26.

写真に示す工具の名称は。

イ.ケーブルジャッキ
ロ.パイプベンダ
ハ.延線ローラ
ニ.ワイヤストリッパ

27.

使用電圧 300 V 以下のケーブル工事による低圧屋内配線において,不適切なものは。

イ.架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブルをガス管と接触しないように
施設した。
ロ.ビニル絶縁ビニルシースケーブル(丸形)を造営材の側面に沿って,支持点間を3 m にして施設した。
ハ.乾燥した場所で長さ 2 m の金属製の防護管に収めたので,防護管の D 種接地工事を省略した。
ニ.点検できる隠ぺい場所にビニルキャブタイヤケーブルを使用して施設した。

28.

小規模発電設備である太陽電池発電設備の記述として,誤っているものは。

イ.ケーブル工事で施工した。
ロ.太陽電池発電設備に至る回路に漏電遮断器を施設する場合,遮断器が切り
の状態で負荷側に電圧がかかっても故障するおそれのない逆接続可能型を
設置した。
ハ.太陽電池モジュールに接続する直流電路に施設する機械器具であって,使用電圧が450 V の機械器具の金属製外箱に施す接地工事は,C 種接地工事とし,その接地抵抗を120 で施設した。
ニ.太陽電池モジュールに接続する負荷側の電路には,その接続点に近接して
開閉器を設けた。

29.

地中電線路の施設に関する記述として,不適切なものは。

イ.長さが 15 m を超える高圧地中電線路を管路式で施設し,物件の名称,管理者名及び電圧を表示した埋設表示シートを,管と地表面のほぼ中間に施設
した。
ロ.地中電線路に絶縁電線を使用した。
ハ.地中電線に使用する金属製の電線接続箱にD 種接地工事を施した。
ニ.地中電線路を暗きょ式で施設する場合に,地中電線を不燃性又は自消性の
ある難燃性の管に収めて施設した。

問い30から問い34までは,下の図に関する問いである。
図は,自家用電気工作物構内の高圧受電設備を表した図である。
この図に関する各問いには,4 通りの答え(イ,ロ,ハ,ニ)が書いてある。それぞれの問いに対して,答えを 1 つ選びなさい。
〔注〕図において,問いに直接関係のない部分等は,省略又は簡略化してある。

30.

① に 示 す 地 絡 継 電 装 置 付 高 圧 交 流 負 荷開閉器(GR 付 PAS)に関する記述として,不適切なものは。

イ.GR 付 PAS は,保安上の責任分界点に設ける区分開閉器として用いられる。

ロ.GR 付 PAS の地絡継電装置は,波及事故を防止するため,一般送配電
事業者との保護協調が大切である。

ハ.GR 付 PAS は,短絡等の過電流を遮断する能力を有しないため,過電
流ロック機能が必要である。

ニ.GR 付 PAS の地絡継電装置は,需要家内のケーブルが長い場合,対地
静電容量が大きく,他の需要家の地絡事故で不必要動作する可能性がある。このような施設には,地絡過電圧継電器を設置することが望ましい

31.

②に 示 す引込柱及び高圧引込ケーブルの施工に関する記述として,不適切なものは。

イ.A 種接地工事に使用する接地線を人が触れるおそれがある引込柱の側面に立ち上げるため,地表からの高さ 2 m,地表下 0.75 m の範囲を厚さ2 mm 以上の合成樹脂管(CD 管を除く)で覆った。
ロ.造営物に取り付けた外灯の配線と高圧引込ケーブルを 0.1 m 離して施設
した。

ハ.高圧引込ケーブルを造営材の側面に沿って垂直に支持点間 6 m で施設
した。
ニ.屋上の高圧引込ケーブルを造営材に堅ろうに取り付けた堅ろうなトラフ
に収め,トラフには取扱者以外の者が容易に開けることができない
構造の鉄製のふたを設けた。

32.

③に示す地中にケーブルを施設する場合,使用する材料と埋設深さの組合せとして,不適切なものは。ただし,材料は JIS 規格に適合するものとする。

イ.ポリエチレン被覆鋼管 舗装下面から 0.2 m

ロ.硬質ポリ塩化ビニル電線管 舗装下面から 0.3 m

ハ.波付硬質合成樹脂管 舗装下面から 0.6 m

ニ.コンクリートトラフ 舗装下面から 1.2 m

33.

④に示す PF・S 形の主遮断装置として,必要でないものは。

イ.過電流継電器

ロ.ストライカによる引外し装置

ハ.相間,側面の絶縁バリヤ

ニ.高圧限流ヒューズ

34.

⑤に 示 す高圧キュービクル内に設置した機器の接地工事に使用する軟銅線の太さに関する記述として,適切なものは。

イ.高圧電路と低圧電路を結合する変圧器の金属製外箱に施す接地線に,直径 2.0 mm の軟銅線を使用した。

ロ.LBS の金属製部分に施す接地線に,直径 2.0 mm の軟銅線を使用した。

ハ.高圧進相コンデンサの金属製外箱に施す接地線に,3.5 mm2 の軟銅線を使用した。
ニ.定格負担 100 V・A の高圧計器用変成器の 2 次側電路に施す接地線に,3.5 mm2 の軟銅線を使用した。

35.

人が触れるおそれがある場所に施設する機械器具の金属製外箱等の接地工事について,「電気設備の技術基準の解釈」に適合するものは。ただし,絶縁台は設けないものとする。

イ.使用電圧200 V の電動機の金属製の台及び外箱には,B 種接地工事を施す。
ロ.使用電圧6 kV の変圧器の金属製の台及び外箱には,C 種接地工事を施す。
ハ.使用電圧400 V の電動機の金属製の台及び外箱には,D 種接地工事を施す。
ニ.使用電圧6 kV の外箱のない乾式変圧器の鉄心には,A 種接地工事を施す。

36.

高圧受電設備に使用されている地絡方向継電器(DGR)の保護装置試験として,行わないものは。

イ.動作電流値試験
ロ.動作電圧値試験
ハ.動作周波数試験
ニ.位相特性試験


37.

受電電圧 6 600 V の受電設備が完成した時の自主検査で,一般に行わないものは。

イ.高圧電路の絶縁耐力試験
ロ.高圧機器の接地抵抗測定
ハ.変圧器の温度上昇試験
ニ.地絡継電器の動作試験

38.

電気工事士法」において,第一種電気工事士免状の交付を受けている者でなければ従事できない作業は。

イ.最大電力 800 kW の需要設備の 6.6 kV 変圧器に電線を接続する作業
ロ.出力 500 kW の発電所の配電盤を造営材に取り付ける作業
ハ.最大電力400 kW の需要設備の6.6 kV 受電用ケーブルを電線管に収める作業
ニ.配電電圧 6.6 kV の配電用変電所内の電線相互を接続する作業

39.

小規模発電設備のうち,一般用電気工作物に含まれないものは。

イ.太陽電池発電設備であって,出力10 kW 未満のもの。
ロ.風力発電設備であって,出力10 kW 未満のもの。
ハ.内燃力を原動力とする火力発電設備であって,出力10 kW 未満のもの。
ニ.水力発電設備であって,最大使用水量が毎秒 1 m3 未満のもの(ダムを伴うものを除く。)の出力20 kW 未満のもの。

40.

「電気工事業の業務の適正化に関する法律」において,主任電気工事士に関する記述として,誤っているものは。

イ.第一種電気工事士免状の交付を受けた者は,免状交付後に実務経験が無く
ても主任電気工事士になれる。
ロ.第二種電気工事士は,2 年の実務経験があれば,主任電気工事士になれる。
ハ.第一種電気工事士が一般用電気工事の作業に従事する時は,主任電気工事
士がその職務を行うため必要があると認めてする指示に従わなければなら
ない。
ニ.主任電気工事士は,一般用電気工事による危険及び障害が発生しないように一般用電気工事の作業の管理の職務を誠実に行わなければならない。

問題2.配線図(問題数 10,配点は 1 問当たり 2 点)
図は,高圧受電設備の単線結線図である。この図の矢印で示す 10 箇所に関する各問いには,4 通りの答え(イ,ロ,ハ,ニ)が書いてある。それぞれの問いに対して,答えを 1 つ選びなさい。
〔注〕図において,問いに直接関係のない部分等は,省略又は簡略化してある。

41.

①で示す図記号の機器に関する記述として,正しいものは。

イ.零相電流を検出する。
ロ.零相電圧を検出する。
ハ.異常電圧を検出する。
ニ.短絡電流を検出する。

42.

②で示す部分に使用する CVT ケーブルとして,適切なものは。

Screenshot

43.

③で示す機器の名称と文字記号(略号)の組合せとして,正しいものは。

イ.電力需給用計器用変成器 EVT
ロ.電力需給用計器用変成器 VCT
ハ.零相計器用変圧器 ZVT
ニ.零相計器用変圧器 ZCT

44.

④に設置する機器は。

Screenshot

45.

⑤の部分に施設する機器と使用する本数として,適切なものは。

Screenshot

46.
⑥ に 設 置 す る 機 器 と し て , 正 し い も の は。

Screenshot



47.

⑦で示す部分に設置する機器の図記号と制御器具番号の組合せとして,正しいものは。

Screenshot


48.

⑧で示す部分に設置する機器の図記号として,適切なものは。

Screenshot

49.

⑨で示す機器の役割として,誤っているものは。

イ.コンデンサ回路の突入電流を抑制する。
ロ.電圧波形のひずみを改善する。
ハ.第 5 調波等の高調波障害の拡大を防止する。
ニ.コンデンサの残留電荷を放電する。

50.

⑩で示す部分の図記号で, 正しいものは。

Screenshot



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